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知って欲しいHPVと子宮頸がん予防

最新学術情報

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2021.5.22
子宮頸がん予防情報
日本人女性におけるHPV感染と子宮頸部高度異形成病変のリスクファクター

Yamaguchi M, Sekine M, Hanley SJB, Kudo R, Hara M, Adachi S, Ueda Y, Miyagi E, Enomoto T.  Risk factors for HPV infection and high-grade cervical disease in sexually active Japanese women. Sci Rep. 2021 Feb 3;11(1):2898. doi: 10.1038/s41598-021-82354-6.


性行動(初交年齢、性的パートナーの数)、HPV感染、子宮頸部高度扁平上皮内病変(CIN2+)の相関関係を調査。

性行動にかかわらず、HPV16/18に感染していることが、日本の若年女性のCIN2+の最も重要な危険因子である。

要旨
ポイント
本研究の問題点
論文著者 山口真奈子先生からのコメント

本研究は、日本人女性の性的活動性の実態とHPV感染・子宮頸部病変の関りを調べた貴重なデータです。子宮頸がんの患者さんを苦しめる大きな問題点の一つに「子宮頸がん=性に奔放」という世間からの偏見があります。HPVは性行為を介して感染するため、パートナーの数の増加はHPV感染リスクを増加させることは事実です。しかしながら、本研究では子宮頸部高度異形成病変(CIN2+)の最大のリスクは性行動にかかわらずHPV16/18型感染であることが実証されました。これは、たとえパートナーが1人であったとしても、HPV16/18型に感染してしまうとCIN2+を罹患するリスクが113.7倍になることを意味しています。HPV16/18型を予防するワクチンは12-16歳の女子であれば無料で接種することができます。本研究では、現代の日本人女性の多くが10代で初交を経験し、生涯において複数人の性的パートナーを持つことはごく普通のことであることもわかりました。思春期の子供たちに対する正しいがん予防教育、性教育の充実と、初交前のワクチン接種の普及が日本の子宮頸がん予防にとって重要であると考えます。

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