YOKOHAMA HPV PROJECT〜横浜から、神奈川から、日本の子宮頸がん予防を変える〜

新着情報

2021年6月

積極的勧奨の一時差し控え状況下でのHPVワクチン再普及のための戦略

子宮頸がん予防情報

地方自治体による情報提供の有効性を日本で初めて検証

地方自治体から子宮頸がんやHPVワクチンに関する情報を提供することでワクチン接種率は増加する

要旨
ポイント
著者の先生からのコメント

いすみ市の取り組みにより、積極的勧奨差し控え中にも関わらず、市内の女子のHPVワクチン接種率が有意に上昇しました。いすみ市のご担当の皆様に敬意を表したいと思います。その後、厚労省の通知が全国に発出され、全国の自治体でも対象者への案内の個別送付が始まっています。接種率が一定程度上昇することが期待されますが、これで十分というわけではなく、更なる接種率上昇に向け、皆様のご理解・ご協力をお願いいたします。

日本人女性におけるHPV感染と子宮頸部高度異形成病変のリスクファクター

子宮頸がん予防情報

性行動(初交年齢、性的パートナーの数)、HPV感染、子宮頸部高度扁平上皮内病変(CIN2+)の相関関係を調査。

性行動にかかわらず、HPV16/18に感染していることが、日本の若年女性のCIN2+の最も重要な危険因子である。

要旨
ポイント
本研究の問題点
論文著者 山口真奈子先生からのコメント

本研究は、日本人女性の性的活動性の実態とHPV感染・子宮頸部病変の関りを調べた貴重なデータです。子宮頸がんの患者さんを苦しめる大きな問題点の一つに「子宮頸がん=性に奔放」という世間からの偏見があります。HPVは性行為を介して感染するため、パートナーの数の増加はHPV感染リスクを増加させることは事実です。しかしながら、本研究では子宮頸部高度異形成病変(CIN2+)の最大のリスクは性行動にかかわらずHPV16/18型感染であることが実証されました。これは、たとえパートナーが1人であったとしても、HPV16/18型に感染してしまうとCIN2+を罹患するリスクが113.7倍になることを意味しています。HPV16/18型を予防するワクチンは12-16歳の女子であれば無料で接種することができます。本研究では、現代の日本人女性の多くが10代で初交を経験し、生涯において複数人の性的パートナーを持つことはごく普通のことであることもわかりました。思春期の子供たちに対する正しいがん予防教育、性教育の充実と、初交前のワクチン接種の普及が日本の子宮頸がん予防にとって重要であると考えます。

日本の若年女性における子宮頸部高度扁平上皮内病変の発生に対するHPV ワクチンの効果

子宮頸がん予防情報

日本人女性を対象としたワクチン効果についての最新アップデート

HPVワクチン接種が子宮頸部高度扁平上皮内病変の減少に結びつくことをさらに証明

要旨
ポイント
責任著者 今野良先生からのコメント
  • 本研究では、日本が検診やワクチンなどの公衆衛生行政で、国の全数登録システム(マイナンバー性を使用するレジストリ)がないことにより、疫学研究が進まない現状を克服することも課題としている。今後、国がこのような体制を作ることを強く期待する。ワクチンの有効性・安全性、感染症や病変発生を科学的に解析することなしに公衆衛生行政は進められない。
  • 日本対がん協会との共同で、検診受診者とワクチン接種の関係を毎年、継続して調査研究するシステムを構築した。現行のcross-sectional studyでワクチンの有効性の堅牢さを示すことができた。さらに、経時的な感染・病変発生の推移とワクチンeffectiveness、特に接種率や集団(接種・非接種を問わないpopulation-based)への免疫効果(herd effect)について、研究を進めていく予定である。
  • 【海外9価HPVワクチン特集論文(3)】4価HPVワクチンの単回投与後の9価HPVワクチン接種による9タイプのHPVに対する免疫反応

    子宮頸がん予防情報

    4価HPVワクチンの単回投与後の9価HPVワクチン接種による9タイプのHPVに対する免疫反応

    4価HPVワクチン2回目の接種を受けなかった者に対して9価(9vHPV)を打った場合の予防効果は妥当性がある

    ポイント
    詳細解説
    本研究の問題点

    【海外9価HPVワクチン特集論文(2)】フランスにおける9価HPVワクチンによる潜在的な疾患発生抑制効果

    子宮頸がん予防情報

    9価HPVワクチンにより潜在的に90%の浸潤がん・高度扁平上皮内病変・外陰疣贅・肛門がんの発生が抑制される可能性がある

    フランスにおける9価HPVワクチンによる疾患発生抑制効果を予測

    要旨
    ポイント

    多種のHPV関連疾患より検出されるHPVサブタイプを解析して、9価HPVワクチンによる疾患発生抑制効果を予測した。9価(6/11/16/18/31/33/45/52/58)HPVワクチンは4価(6/11/16/18型)ワクチンと比べ、浸潤がん・HSIL・LSILに対する潜在的な効果を有意に増加させることが推計された。

    補足

    【海外9価HPVワクチン特集論文(1)】9価HPVワクチンの関連する疾患および子宮頸部手術に対する有効性:過去の偽薬(プラセボ)集団との比較

    子宮頸がん予防情報

    以前に行われた4価ワクチン・プラセボ比較試験のプラセボ群を使用し、9価ワクチンの効果を推計

    9価HPVワクチンはプラセボと比較して有効であると推計された

    要旨
    ポイント



    HPV ワクチン接種と浸潤性子宮頸がんのリスク低下~スウェーデンからの最新情報~

    子宮頸がん予防情報

    国レベルの疫学研究でHPVワクチンの浸潤子宮頸がん予防効果を証明

    世界の子宮頸がん予防に与えるインパクトは極めて大きいと予想

    要旨
    ポイント
    補足

    日本での子宮頸部高度扁平上皮内病変以上(HSIL+)に対するHPVワクチン接種の効果

    子宮頸がん予防情報

    ワクチン接種を受けた女性は子宮頸部高度扁平上皮内病変が減少

    HPVワクチンの効果が検診後の病理生検で科学的に証明された

    (訳注:子宮頸部高度扁平上皮内病変HSILという用語は従来、細胞診(ベセスダ分類)に用いられてきたが、2014年WHO病理分類以降、病理診断にも用いられている)

    要旨
    ポイント

    日本のおけるHPVワクチン接種率低下の危機がもたらす将来への影響をいくつかのモデルで予測した研究

    子宮頸がん予防情報

    HPVワクチン接種率が回復しなければ、日本における子宮頸がん予防に関する将来への影響は甚大だ

    これまでのHPVワクチン接種率低下により将来約5000人の女性が子宮頸がんによって命を落とすと予測される

    要旨
    ポイント

    迅速な接種率の回復とキャッチアップ接種が重要であることがはっきり分かる。

     

    表 1994年~2007年生まれの子宮頸がん罹患と死亡の生涯リスクのモデル予測

    HPVワクチンと体位性頻脈症候群(POTS)、デコンディショニング、運動誘発性痛覚過敏:副反応として報告されている症状について再考する

    子宮頸がん予防情報

    HPVワクチン接種の後の身体活動低下が多様な症状を引き起こしている可能性

    POTS、デコンディショニング、運動誘発性痛覚過敏の治療の中心となるのは運動療法

    要旨
    ポイント

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